◆ ウェストという男(グリーン・バーラス&ロン・シブレット)
・掲載誌:ナイトランド創刊号
・ジャンル:怪奇
・長さ:掌編〜短編
◆ まとめ
一行短評:『死体蘇生者ハーバート・ウェスト』の二次創作。文体は好みだが、若干わかりづらい箇所も。
オススメ度:△
掲載誌:ナイトランド創刊号
◆ 出だし
ドクター・ウェストに雇われてからほんの数日で、ウェストがだれか、またはなにかに居所をつきとめられるのではとおびえていることが明らかになった。おれたちの出会いは偶然だったが、やつにはおおいに有利に働いた。とある寂しい夜、ファルマウスの浜辺で、おれはやつが若いゴロツキの集団に襲われているところにでくわしたのだ。
◆ ポイントの引用(ネタバレあり)
・研究が進展しているかどうかはわからなかったが、研究室からしょっちゅう、どしん、ばたんという大きな音が響いてきた。俺の質問に対するウェストの答えは"実験動物"だった。そうかもしれなかったが、どんなたぐいの"実験動物"だったら、おれの雇い主に恐怖の叫び声をあげさせ、三八口径リボルバーを三発ぶっぱなせられるんだろう、と俺はいぶかった。
・さて、おれは、マサチューセッツ州の海岸に近いアーカムという小さな町から煙のように消えうせた男を探すように依頼され、三ヶ月ちょっとのあいだ、あっちへ行ったりこっちへ行ったりして追跡し続けていた。
・翌日、ドクター・ウェストの"使える"車を見せられた。ひと目で、隠してあった理由がわかった。めだつ、という表現ではひかえめすぎた。ウェストの車は霊柩車だったのだ!
・全裸の大男が台に縛りつけられていた。顔と上半身が科学火傷のように見えるひどい傷跡でおおわれていた。それを顔と呼ぶには無理があったが、ほかに言葉が見つからないかった。口の癒着していない部分で唾液が泡立っていたし、片方の眼窩はてらてらした瘢痕組織で完全に覆われていた。その哀れな男の鼻は叩き潰した年度の塊のようで、裂け目が鼻孔として機能しているだけだった。
・布に包まれた物を抱きかかえていた。おれはその荷物をじっと見つめ、晩飯に食べたものを床にぶちまけた。ウェストがおぞましい抱擁をしているのは、せいぜい四、五歳にちがいない子供の死体だったのだ!
・彼女はおれから全部で六回奪われたんだよ。埋葬がすんでまもなく、何者かが彼女を墓から盗んだんだ。そいつの名前をいう必要はあるか? ハーバート・ウェスト博士さ。
◆ 神話要素(ネタバレあり)
・ハーバート・ウェスト
・アーカム
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